2017年07月16日

アジア送電網計画

何かにつけて意外なビジネス展開でニュースになるソフトバンクですが、
先日、ソフトバンクが20年開始目標のアジア送電網計画を本格化したという
記事を新聞で読みました。

その記事によると、モンゴル南部の南ゴビ砂漠で風力と太陽光で発電した電力
を、中国、韓国、ロシアを経由して日本海を越えて日本まで運ぶという
壮大な計画です。

凡人の僕は、考えたこともない途轍もない発想と、その実行力に驚くばかり
です。

まだ、国内の受け入れ体制などに課題も多いと思いますが、送電線を敷く
海底の調査などを今年度中に終わらせ、早ければ2020年の送電開始を目指す
と、着々と計画を推進しているようです。

僕にとっては、降って湧いたようなこのニュース... 調べて見ると、
過去に何度か、今回の記事に関連するニュースがひっそりと記事になって
いました。

例えば、2012年10月24日の記事では...

ソフトバンクはモンゴルで風力発電事業を始める。同国政府から南部の
砂漠にある遊休地の賃借権を取得した。
面積は東京都全体に匹敵する約2200平方キロメートル。
2014年中にも出力30万キロワットの発電所を稼働させる。
総工費は500億円程度の見込み。現地電力会社に売電し、将来はロシアなど
近隣国への電力輸出も検討する。

2016年7月20日...

ソフトバンクグループは7月19日、韓国電力公社(KEPCO)、モンゴルの投資
会社Newcom LLC(ウランバートル市)と、モンゴル国内における再生可能
エネルギー開発と投資を目的とした覚書を、ウランバートル市で締結したと
発表した。

今回締結した覚書に基づき、ソフトバンクグループはKEPCO、Newcomと協力し、
モンゴルにおいて太陽光発電と風力発電を中心とした再エネ事業に取り組み、
アジアにおける再エネの普及を加速するとしている。

また、KEPCOに加え、中国国家電網、ロシア・グリッド(ROSSETI)と
電力系統網の国際連系を推進するための調査、企画立案を目的とした覚書を
今年3月30日に締結していた。モンゴル、インドでの再エネ開発と並行して、
中国、ロシアを経由した広域連系の可能性を探っている。

このように、数年前より着実に計画を推進していたのが見て取れます。

そもそも、この構想のきっかけとなったのが、2011年3月11日に発生した
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)によって引き起こされた
福島第一原子力発電所事故と、それに伴う電力不足でした。

そして同年9月に、原発に頼らずに電力の安定供給を実現するため、
太陽光や風力などで生み出した電力を、アジア全域に張り巡らせた送電網で
各国に供給する「アジアスーパーグリッド(大送電網)構想」を孫正義社長が
提唱したのです。

現在、中韓とロシアをそれぞれ経由する2ルートの予備調査を終え、今年4月に
海底調査に着手。

ソフトバンクによれば、モンゴルの潜在的な発電能力は風力と太陽光で
年間約13兆キロワット時に及ぶといいます。これは、日本の総需要の13倍に
あたり、アジア全域の電力需要を賄えると見ています。
まずはモンゴルから日本や中韓、ロシアへの送電を目指し、将来的には
電力需要が伸びているアジア各地へ輸出することも視野に入れていると
いいます。

このように見ると、この壮大な計画は、原発の縮小、電力の低価格化など
良いこと尽くめのような感じですが... 僕は、どこか不安が残るのです。

電気、ガス、水道といった、我々の生活に欠かせないインフラを、自給でなく
海外からの輸入に頼るという点です。

仮に、モンゴルで発電した電気が格安で、日本国内のほとんどがモンゴル
電気に頼る生活になってしまったとき、そのモンゴル電気が何らかの理由で
止まってしまったら... それは、まさに国家の危機になります。

そして、モンゴル電気を送るための場所を提供している中国、韓国、ロシアの
ご機嫌を見ながら、日本政府は外交政策をとらざるを得なくなるのです。
要は、他国に日本の弱みを与えることになるのです。

実際、ロシアは天然ガスをEUをはじめとして各国に輸出していますが、とくに
EUはロシアのガスへの依存度が高く、外交上の不都合もあり、その輸入依存
からの脱却を試みていますが、なかなか抜け出せないでいます。

以前、ソフトバンクが0円でインターネットが使えるとかケータイが持てる
といった、身銭を切っても先ずは使わせる、そして止められなくなる手法が、
今回のモンゴル電気でも見え隠れするのです。

消費者にとっては、安く電気を使えるのは嬉しいことですが、日本政府は
そのリスク回避もしっかりと対策をとってもらいたいと思います。

そして、自然エネルギーは風力や太陽光ばかりではありません。

最近のニュースで、海流エネルギーを利用して発電する新たな再生可能
エネルギー技術である水中浮遊式海流発電システムをIHI横浜事業所で
完成させたと報道されています。
2017年8月中旬より、鹿児島県十島村口之島沖の黒潮海域で、実際に
海流を利用した100kW規模の海洋発電を行う予定といいます。

このように、日本国内だけでも、太陽光や風力はもちろん、地熱、海流、
バイオマスなど、いろいろな自然エネルギーが豊富にあるので、国内での
実用化を推進することを僕は提案します。




【この記事は、僕のメルマガ 『しんたさんのメルマガ』 の中の「しんたのたわ言」の部分です。】




posted by しんた at 09:15| Comment(0) | TrackBack(0) | しんたのたわ言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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